「大義なき開戦は、世界を危機に追い込む」…ゴルバチョフが遺していた「世界への警告」

緊迫の独占インタビュー

8月30日、ソ連共産党最後の書記長、ミハイル・ゴルバチョフ氏が逝去した。享年91。第二次大戦後に半世紀近く続いた東西冷戦を終結させた彼が、世界の歴史を変えた一人であることは間違いない。

週刊現代は、かつてゴルバチョフ氏にインタビューを行っている。それは、世界の歴史に名を刻む、非常に重要な日に行われた。

2003年3月18日。1年半前の2001年9月11日に起きた同時多発テロに端を発した「テロとの戦い」に突き進んだアメリカは、テロ支援国家としてイラクのサダム・フセイン政権を標的に定める。この前日(3月17日)に、ジョージ・ブッシュ大統領は「サダム・フセインとその家族は48時間以内にイラクを退去せよ」と最後通牒を突きつけた。

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イラク戦争の始まる直前、この48時間のカウント・ダウンまっただ中に、折しも滞日中であったゴルバチョフ氏に緊急インタビューが行われたのだった。以下、その全文を掲載する。

 

「また戦争になるのか!」

(2003年)3月17日(米国時間)、ブッシュ米大統領は「サダム・フセインが48時間以内に亡命しない場合はイラクを武力攻撃する」とテレビ演説しました。

この演説を聞いて、私の心には、実に苦く、悔しい気持ちがこみ上げてきました。

「ああ、また戦争になるのか!」と、思わず叫んでしまったのです。

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