2022.12.26
# 成熟スイッチ

出世できず仕事のやりがいも失った…「人生消化試合」の57歳男性に、人生の達人・林真理子が心からのアドバイスを贈る《成熟スイッチ相談室》

発売1ヵ月で12万部を突破した林真理子さんの話題の新書『成熟スイッチ』。

同書には「成熟」へと向かうためのヒント=「小さなスイッチ」が、林さんの豊富なエピソードとともに書かれています。

この「成熟スイッチ相談室」では、林さんに成熟世代のさまざまな「お悩み」にアドバイスしてもらっていきます。

今回は、同書の中でも多く触れられている「老いとの近づき方」に関連して、定年前後の生き方が見えないというお悩み。

●お悩み:仕事のモチベーションが保てず、老後も先が見えない

定年を3年後に迎える会社員の男です。会社での出世の限界もとっくに見えていて、なんのために仕事を頑張ればいいのかわからなくなってしまいました。正直な話、「この年齢になると、頑張るだけ損」なんていう気持ちもあります。かといって、老後のビジョンは何もありません。定年が迫ってきたサラリーマンが定年後に向かってできることとは何でしょうか。(57歳・男性)

●林さんの回答

「ボランティアを始めたらどうですか」なんてアドバイスしてもつまらないから、本当はそう言いたくても言いませんよ。貴方の悩みを整理することから始めましょう。

まず、「なんのために仕事を頑張ればいいのかわからなくなってきた」ということですが、もう十分に働いてきたのですから、そんなに深刻に考えなくていいのではありませんか。

定年まで残りの年月は、お金を得るための手段と割り切って、仕事をすればいいと思います。日経の「私の履歴書」に出てくる人みたいに仕事で生きがいや名誉、高収入、そのすべてを得ている人なんてほんの一握り、何万人に一人、いやもっと少ないかもしれませんから……。

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