夢破れた国産ジェット 開発中止に落胆の声「日本ではもう無理か…」

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小林圭 伊藤舞虹 山本知弘 土井良典
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 「国産初のジェット旅客機」の夢は破れたのか。三菱重工業は7日、「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」の開発中止を発表した。事業に期待し、支えてきた東海3県の関係者からは、落胆の声が聞かれた。

 「航空機産業の発展のために成し遂げられなければならない重要なプロジェクトだった。大変残念です」。愛知県大村秀章知事は、同日の記者会見でそう語った。

 県は2014年度、県営名古屋空港(愛知県豊山町)に隣接する県有地約7万2千平方メートルを同社に売却するなどし、開発を支援していた。国有地の買い取りや周辺道路の建設などで、県は、土地の売却額との差額で実質約27億4千万円を負担していたという。

 大村氏は今後、売却した土地の取り扱いなどについて、三菱重工側と具体的な協議に入る考えを示した。同社からは、引き続き航空機産業で使用するとの意向が伝えられているといい、「航空機産業は伸び代のある成長産業。国策で新たな民間旅客機事業にチャレンジするというのがあってしかるべきでは」と話した。

 名古屋大の杉山直総長は「国と愛知の企業には痛手だ。米国での型式認定(の困難さの認識)が、少し甘かったのではないか」と述べた。一方で、小型ジェット機「ホンダジェット」が成功していることや、名大も国内外の企業と連携して航空技術の開発を進める計画があるとして、「これだけでは終わらないと思う」と話した。

全国の航空機関連企業224社のうち、東海3県に本社があるのは74社。日本の航空産業をリードしてきた東海地方ですが、地元の企業からは「驚きはない」といった声も聞こえてきました

航空産業をリードする東海地方、今後の影響は?

 三重県松阪市には、航空機部…

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