頭のいい人は知っている「刑事ドラマ顔負け」効果バツグンの交渉テクニックとは?「怖いと思ってたけど、実はいい人かも」いわゆる“ギャップ萌え”で、相手の印象が一変することがある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「怖いと思ってたけど、実はいい人なのかも……」いわゆる“ギャップ萌え”で、相手の印象がガラリと変わることがあります。ネガティブなイメージだった相手を好きになってしまうことも……。この「ギャップ」は、実はうまく使えば交渉を有利に運ぶこともできるのです。書籍『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』の著者が、ビジネスの交渉ごとに”ギャップ“を生かす方法を紹介します。(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

「ギャップ萌え」はビジネスの交渉にも使える

「ギャップ萌え」という言葉を聞いたことがありますか? 仕事中はクールな雰囲気でロジカルな話し方をする先輩が、「推し」の話を始めると急に「キラキラ」「ワクワク」など擬態語が止まらなくなったり、スキンヘッドでサングラスをかけた見た目強面の男性が、じつは毎夜クマのぬいぐるみを抱きながら寝ていたり……そんな意外な事実を知ると、相手の印象がガラリと変わることがあります。

「先輩、取っつきにくい人だと思ってたけど、実はかわいい人なのかも」「この人、怖い顔しているけど、本当は優しい人なのかも」と、ガラッと印象が変わり、その結果、冷淡に感じていた先輩や強面の男性に対して、親近感や好意を持ってしまうなんてことも……。

 これが「ギャップ」の力です。交渉でもギャップをうまく利用することで、要求を通しやすくしたり、相手に強く印象づけたりすることができます。

 たとえば、普段はオドオドして気が弱いキャラなのに、ある条件交渉で「この条件だけは譲れないんです!」と真剣な眼差しで強い口調で言い切る。相手は「普段はおとなしい人なのに、この条件に関しては本当に譲れないんだろうな」と考え、譲歩の姿勢を見せてくれるかもしれません。

 また、相手に悪印象を与えてしまったときも、ギャップの力を利用できます。油断した言葉遣いや、忙しさや疲れから横柄な態度を取ってしまった結果、仕事先の人に悪印象を与えてしまい落ち込んだ……そんな経験は、誰でも1度や2度はあるものです。