無印良品が住宅分野に力を入れている。これまでも戸建住宅を年間300棟ほど販売・施工してきたが、最近はリノベーションマンションの販売に進出。このマンション高騰時代に、首都圏でも2000万円台で家が手に入るという。一体どんな住まいなのか。
郊外の団地に活気が戻った
あまり知られていないが、無印良品は2004年から戸建住宅を手がけていて、現在では年間300棟を販売している。また、2012年からはUR(都市再生機構)と連携して賃貸住宅のリノベーションを手がけ、10年間で1000戸以上のリノベーションを行ってきた。建物、住民の高齢化が進み、地域の活力が失われつつある郊外の団地を無印良品がリノベーションすることで、無印ファンの若い世代が移り住むようになって活気が戻ってきたといわれている。
そうした実績を踏まえて、最近では中古マンションを買い取り、無印良品流のリノベーションを施した上で販売する事業にも進出、商品名「MUJI INFILL 0」として力を入れている。
無印良品独自のリノベーションマンションは、質の高さもさることながら、何より驚くのが、その安さだ。
マンション高騰の時代に1㎡単価36万円
首都圏でマンション価格の高騰が止まない。不動産経済研究所によると、2023年3月には、東京都港区で大型の超高額物件が販売されたこともあって、図表1にあるように首都圏の新築マンションの平均価格は1億円を超えてしまった。東京23区に限れば平均2億円超えだ。
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新築マンションに引きずられる形で、中古マンション価格も上がっている。東日本不動産流通機構の調べでは、2023年3月の首都圏の成約価格の平均は4441万円で、2022年3月の4158万円に対して、前年同月比で6.8%の上昇。首都圏の中古マンションの成約価格は、2020年6月から34か月連続して前年同月を上回った。
それに対して、無印良品の「MUJI INFILL 0」は、物件にもよるが1㎡単価は36万円。同水準なら70㎡でも2520万円だ。