2023.06.09

死刑に参加した刑務官が明かす…「執行」の日を待つ死刑囚が取った「異常な行動」

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2014年と15年に知人男性2人をフィリピン・マニラに誘い出し保険金目的で殺害したとして、殺人などの罪に問われ1、2審で死刑判決を受けた山梨県笛吹市の49歳の被告のついて、上告審判決で、最高裁第1小法廷は5日、無罪を主張する被告側の上告を棄却し、被告の死刑が確定することになった。

死刑とは犯した罪を自らの死によって償う刑罰で、刑法11条で死刑は刑事施設内において絞首にて執行すると定められている。だが、世界では約7割の国が死刑を廃止か停止している。国際的な潮流に逆行する日本には厳しい目も向けられているからこそ、我々は「国が人の命を奪う」死刑に向き合わなければならない。

日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。本記事では、漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材したマンガ『刑務官が明かす死刑の秘密』より取り上げる。

「刑務官が明かす死刑の秘密」(一之瀬はち)

重い責任を背負って

一之瀬さんはなぜ死刑について取材するに至ったのか、こう語る。

「もともと警察ものや犯罪ものの作品に興味があり、その手のドラマを見たり小説を読んだりしていました。そのような中、刑務官の方と知り合いお話をしていく中で、刑務官の仕事は塀の中の業務ということもあり、それまで深く知る機会がありませんでしたが、刑務所の中の治安を守ることはもちろんのこと、罪を犯した受刑者の矯正、そして死刑の立ち会いと、重い責任を背負って日々業務をこなしているのだということを知り、刑務官という職業のリアルな姿を伝えられればと思ったことがきっかけです」

一之瀬さんが取材したのは、実際に死刑に立ち会った経験のあるM刑務官。大学卒業後、刑務官試験に合格。地方刑務所、拘置支所勤務を経て、現在は某拘置所に勤務している。

「刑務官が明かす死刑の話」より

裁判の判決を待つ未決囚や死刑囚が暮らす拘置所では、日々様々な事件が起きているという。本記事ではそんな拘置所で起こった事件について取り上げる。