泊原発の基準地震動を了承 規制委 再稼働向けた審査前進へ

新田哲史
[PR]

 原子力規制委員会は9日、北海道電力泊原発(泊村)の再稼働に向けた審査会合を開き、原発の耐震設計の目安となる地震の揺れ「基準地震動」を、最大693ガルとする北電の検討結果を了承した。審査の山場の一つを超えたが、まだ複数の審査項目が残っており、終了は見通せない。

 基準地震動は、原発周辺で起きる可能性がある地震の揺れの強さで、加速度の単位「ガル」で示す。

 北電はこの日、泊原発周辺の活断層が地震を引き起こした場合など、計19種類の基準地震動を示した。最大値は、過去に起きた地震をもとに全国共通で考慮すべき地震の場合で693ガルになるとした。規制委は「おおむね妥当」として了承した。

 基準地震動をめぐっては、15年12月に規制委からいったん了承された。だがその後、原発周辺や敷地内に活断層がある可能性を規制委から指摘され、審査が長期化した経緯がある。

 基準地震動が了承されたことで、原発の耐震設計など再稼働に向けた審査が前進する見通しだ。ただ今後も、津波対策の目安となる基準津波の設定や、原発周辺の火山活動に関する評価、新設する防潮堤の設計などの審査項目が残る。

 北電はこれらの説明を来年1月下旬に終える計画だが、今年に入ってからも、規制委から資料作成の不手際を指摘されて説明終了時期を度々先延ばししてきた。予定通り終えられるかは不透明だ。(新田哲史)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら