2024.04.28

インドネシアに敗れた韓国が「戦犯探し」に躍起になる前に直視しなければならない「現実」

PK戦でインドネシアに敗れる

日本に勝利した“慢心”が韓国にあったのだろうか。パリ五輪アジア最終予選兼AFCU-23アジアカップの準々決勝(25日)で、韓国がインドネシアに敗れるという波乱が起こった。事前の予想では韓国の優勢。というのも、1次リーグの最終戦で、宿敵の日本を破りグループ1位で決勝トーナメントに進んでおり、インドネシア戦でも韓国が主導権を握ると思われていた。

しかし、蓋を開けてみると韓国人指揮官のシン・テヨン監督率いるインドネシアの組織力の前に韓国は攻めあぐねた。韓国は先制点を奪ったものの、逆に2点を取られてリードされた状態で後半へ。そこからFWイ・ヨンジュンのファウルがVAR介入によってレッドカードとなり一発退場。

歓喜するインドネシアの選手たち photo by gettyimages

韓国は10人での戦いを強いられるなか、インドネシアが完全に主導権をにぎったが、粘り強い守備と攻撃で後半38分にMFチョン・サンビンが起死回生の同点弾を決めて2-2。試合が終わると思われたアディショナルタイムにインドネシアの相次ぐ接触プレーに対して、韓国のファン・ソンホン監督がベンチを飛び出して猛抗議。これに対してレッドカードが出されてしまい、監督不在のまま試合は延長戦へ。それでも決着がつかず、勝負を決めるPK戦は10-11で韓国がインドネシアに敗れた。

アジアでベスト8での敗退。1988年ソウル五輪から出場を続けていたが、40年ぶりに五輪出場を逃すという屈辱を味わった。

こうなると韓国メディアの辛らつな批判が止まらない。敗因を探すのに躍起になっているが、韓国側からしてショックが大きいのは、格下と思われていたインドネシアに真っ向から勝負し、総合力で敗れたという現実だろう。

韓国が力負けした理由については「準備不足」を指摘する内容が多かった。「朝鮮日報」は「シュート数でも押されるなど、試合内容でも完敗した。インドネシアのシン・テヨン監督との“知略対決”で敗れ、指導者人生において最も停滞敗戦を味わった。サイドからのクロスを使った単調な戦術が足元をすくわれた」と伝えている。

ただ、戦術だけの問題でもないとの指摘もある。「韓国代表はクリンスマン監督の解任以降、代行でファン・ソンホン監督が先月のタイとのW杯2次予選でA代表指揮官を務め、U-23代表と2つを受け持って大会準備を進めてきたという部分において、十分でなかったという批判を避けられない状態となった」。

「スポーツ京郷」も「インドネシアが4年も積み重ねてきた汗と努力の前に屈した。強豪が相手ではなく、格下に敗れたことで、韓国がこれから何をすべきかを学んだ」と報じている。

 

「インドネシアはシン・テヨン監督が就任してから4年間で作られたチームだ。オランダで生まれた選手を帰化させ、特に攻撃面の充実を図った。今回の代表チームにもオランダ生まれの選手3人をインドネシア代表に選出。韓国戦で2ゴール決めたストライカーのラファエル・ストライクはオランダ生まれだ」

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