2024.04.28

「札幌ドーム叩き」のほとんどが「的外れ」といえるワケ…「薄い人工芝」「傾斜が急すぎる観客席」が批判されてきたが「そもそも野球のために作られた施設ではない」

日ハムの「値下げ要求」を突っぱねて「値上げ」した…?加熱する“札幌ドーム叩き”の「勘違い」と「嘘」を暴く!』より続く…

無視されがちな「施設改修」

ネットを中心に加熱し続けている「札幌ドーム叩き」だが、そのなかには、根拠なき批判や嘘が散見される。札幌市議・成田ゆうき氏の解説とともに、誤解を解いていこう。

「球団側の要望に、札幌ドームは応えてこなかった。だから日ハムに逃げられた」という批判も多い。だが、札幌ドームは日ハムの要望を無視していたわけではない。

例えば2016年、球団側から芝生の質改善の要望が出された。これを受けて、費用をすべて札幌ドーム側が担う形で2018年に芝生は更新されている。

札幌ドームの施設改修一覧(2023年決算情報より)
札幌ドーム内部(公式HPより)
 

その他にもトレーニングルームの整備、メインスタンドの改良など、要望に合わせて施設改修が行われていた。札幌ドームの2023年3月期決算報告書概要によれば、日ハムをはじめとした主催者たちからの要望に応え、2023年3月期までで札幌ドーム負担で累計61億円分の施設改修を行っている。もちろん、札幌ドームがすべての要望に応えられたわけではないが、そこには札幌ドームの施設としての限界もあった。

「勘違いしている人もいますが、そもそも札幌ドームは野球のために作られた施設ではありません。2002年、日韓ワールドカップの開催地の一つとして札幌が選ばれた。当時大きな競技場がなかったことから、札幌ドームの建設が計画されたのです。

しかしサッカーだけでは運営費を賄いきれず、赤字になってしまう。そこで当初から野球やコンサートなど多目的利用が検討されていました。2002年、2003年の段階では黒字で、多目的施設としてある程度採算が取れてもいたのですが、そこに日ハムが来てくれた。

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