2024.05.03

早稲田、京大、東大…マスコミの新入社員は「偏差値60以上」だらけ!高学歴が集まって「普通の日本人」に向けて情報発信することへの「強烈な違和感」

TikTokで小説の紹介をする男性の元に「本はどこで買えるのか」という質問が届き大きな話題となったが、日本の「知性格差」を考えれば、けっして不思議な話ではない。そもそも本を読むのは少数派であり、読書は「都市部の高学歴、高収入」の人々のものとなっている現実があるのだ。

「本」を読むのは「少数派」という現実…「地方在住・低学歴・低所得層」では「本がどこで買えるか」も知らない人も』より続く…

文化を独占してきた高学歴層

それでも、読書習慣がある人間の耳に「本はどこで買えるのか」という質問がかなり唐突に響くのは、本を読む人間は本を読む人間同士で集まる傾向があり、本の買い方を知らないような人間は視野に入らないからだ。たとえば、先のデータを見る限り、都心の大企業のオフィスには読書習慣がある層が集まり、山間の建設現場ではそうではない傾向があるだろう。そして両者の間にはあまり交流がない。

日本社会には知的な断絶、あるいは知的格差がある。「本はどこで買えますか」という質問に驚くことができるのは読書が当たり前の環境で生まれ育ったからであり、そういう人間の「普通」は決して普通ではない。

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もっとも、本を読んでも読まなくても各人の勝手ではある。だが極めて重要なのは、社会でのパワーバランスが大きく「本を読む層」、つまり学歴や所得が高い層に偏っている点にある。

有名企業の幹部も、新聞社・TV局・出版社などのメディアに属する人間も、大学の研究者も、政治家も官僚も、圧倒的に超難関大学出身者に偏っている。

たとえばこの記事が掲載されている「現代ビジネス」を運営している講談社は日本を代表する出版社だが、2023年の就職者の出身大学を見ると、もっとも多いのが早稲田大学の4名で、その後は同志社・京都・慶應義塾・法政・立教・北海道・筑波・東京……と続く(同率順位含む。北大以下は一名の採用)(※8)。

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