空前の円安で、ゴールデンウィークは「節約旅」がトレンド入り。国民が物価高にあえぐなか、裏金問題の真相究明すらしようとしない自民党に、補選で「ノー」が突きつけられた。ところが……。
前編記事『岸田総理『ずっとおれのターン!』...補選惨敗なのに『岸田おろし』が起こらない驚くべき「カラクリ」』より引き続き、岸田総理の再選戦略を見ていく。
石破茂が総理以上に補選で奔走
総裁選で岸田にとってもっとも強敵になりそうなのが石破茂だ。世論調査では毎回「ポスト岸田」候補1位を独走している。「選挙の顔はやはり石破しかいない」となれば、議員票も一気に石破へと雪崩を打つ可能性がある。
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「石破さんは総理がピンチのときにも、党内野党よろしく平気で政権批判するので、『石破は皆が苦しいときに、後ろから鉄砲を撃つ』と評判が悪く、なかなか党内での支持が広がらなかった。
最近は石破さんもそれではまずいと思ったのか、補選で皆があきらめムードの中、島根に4回も入って必死に応援活動をしていた。そういう姿を見せることで、『石破が頑張ってるじゃないか』という空気が少しずつ党内にでき始めています」(二階派中堅議員)
補選前にラジオ日本の番組に出演した際には「島根(の補選)を一生懸命やらないで『岸田けしからん、辞めろ』と言うのは自民のすることではない」と宣ってみせた。これまでとは一味違う。
しかし、岸田はこちらについてもすでに手を打ってある。